語り部シルヴァ

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『輝き』

一面雪景色。
地面も山も木も全部真っ白で、
太陽の光が反射してキラキラと輝いている。
吐く息までも真っ白になって、
目が痛くなるほど目が白で覆われる。
吸い込む息は新鮮と感じるほど冷たく、
肺がじんわりと冷たくなっていく。

あとはスキー板じゃなければ
自由に移動できる開放感で満たされたかもしれない。
今日はスキーをしたいと友人が駄々こねてたので
半強制的に連れて来られた。
出不精な自分からすれば珍しい体験だけど、
寒いしスキー板で思うように移動出来ないし、
1秒でも早く板を外したいくらい。
...滑るのは楽しいと思う。

そう思いながらコースを滑り終えて借りていたスキー板を
返して友達の元へ行く途中何かが背中にボスっと当たった。
「やったー!当たった」
「やってくれたな...?これ勝ったら飲み物奢れよな!」
人の邪魔にならなさそうなところで
タイマンの雪合戦が始まった。

正直最初は早く帰りたかった。
けど、スキーを楽しそうに滑ってたり今の友人の笑顔を
見ていると来てよかったとも思う。
太陽に反射した雪原よりも輝かしい友人の笑顔が眩しく
雪玉を食らってダウンした。

俺の負けだ。温かくてとびきり甘いココアを奢らないとだ。

語り部シルヴァ

2/17/2025, 10:36:13 AM