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「私とあなたじゃ住む世界が違う 第三十八話」

アメジストは、志那達が古びた塔に行っている間、雑用をしていました。
「ここの暮らしに慣れたとは言え、雑用ばかりは体に応えますね…」
アメジストは、食堂の片付けをしていると、バスケットに置いてあるりんごが視界に入りました。
「りんごですか…あの時を思い出しますね」
アメジストは、アイドル時代の事を思い出していました。

アメジストがまだ林檎王子のリーダーだった頃のある日、仕事の集まりでメンバー全員が事務所に集まっていました。
「アメジストさん!おはようございます」
薄いベージュの肌、茶色い大きな目、肩までの金髪のストレートヘア、中肉中背でシンプルに近いブリティッシュファッションの子供っぽい青年のメンバーは、アメジストに挨拶しました。
「おはよう、シトリン。君、いつものように遅刻すると思ったよ」
「遅刻するんなら、ラピスじゃないですか?いつものんびりしてるし」
シトリンはラピスと言う、薄いベージュの肌、青い大きな目、薄青のストレートロングヘアを後ろで束ねている髪型、痩せ型の中肉中背でブリティッシュファッションの気弱だけど爽やかな青年のメンバーに話を振りました。
「シトリン、酷いなー。遅刻の回数は君の方が多いでしょ!」
「年少二人、喧嘩するなよ…回数競っても仕方無いじゃん」
薄いベージュの肌、ピンクの目、ピンクのパーマ掛かったロングヘアの髪型、中肉中背のブリティッシュファッションの人当たりの良い青年のメンバーは、シトリンとラピスにツッコミました。
「ローズ、無駄だ。あの二人馬鹿だから諦めろ」
ベージュの肌、オレンジの目、オレンジのセミロングのウルフヘア、痩せ型のプチマッチョでカジュアルなスーツ姿のギャル男っぽいプレイボーイなメンバーは、ローズに一言言いました。
「アンバー、コレ、止めなかったら、誰が止めるん?」
「あはは、俺達は、いつもこんな感じだな!」
「あーあ、ラピスのせいでアメジストさんに笑われた…」
「シトリンが喧嘩吹っ掛けるからだ!」
「さぁ、もうすぐ仕事の時間だ。皆、準備出来たかな?」
「皆さん、準備出来ましたか?」
「スタッフさん、もうすぐ行きます」
アメジストは、スタッフに応対しました。
「…気のせいかな?ちゃんと全員そろってるのかそろって無いのか…」
林檎王子のメンバー達は、スタッフに呼ばれて別室に案内されました。
「今日は、何の仕事だろ?」
「ローズ、仕事始まってからの告知はいつもの事だろ」
ローズとアンバーは小声で話していました。
「えーと、皆さんには自分の半生を語ってもらいます」
スタッフは、メンバー全員に仕事内容を説明しました。
「半生…ですか?」
メンバー達は沈黙してしまいました。
「(半生…ですか。アイドルである以上、本当の事を語ると大事な人に大きな被害が及ぶ可能性があるな…)」
「まずは、アメジストさんからお願いします」
スタッフは、アメジストに振りました。
「(親友を守る為だ。仕方無い…)」
アメジストは、嘘の自分の半生を話し始めました。
「子供時代は、何不自由無く人生を送れていたと思います。成績も良かったし、友人にも恵まれて、家も裕福だから周りの憧れの的でしたね。親には、何でも好きな事をやらせてもらえていたと思います。青春時代もとにかく異性にモテた記憶があります。多分、俺の人生は幸せな方だと思います。」

10/6/2022, 11:06:54 AM