「ソシャゲのプレゼントボックス、バレンタインのチョコ、最終的に親の所得になるかもしれんがお年玉、あと『ど◯兵衛』。他は?」
ぶっちゃけ最近、自分の機嫌を取るための自分用贈り物しか買ってねぇわな。
某所在住物書きは過去配信分のお題を確認しながら、ぽつり、ぽつり。
去年の12月25日に「プレゼント」のお題が配信されたばかりである。 更に2月14日には、おそらくバレンタインが控えている。
重複する「贈り物ネタ」をどう乗り切るべきか。
「……普通にそのまま、プレゼントネタかなぁ」
最終的に物書きは、あれこれ考えるのをやめた。
――――――
昨日投稿分に繋がるおはなし。
最近最近の都内某所に、本物の魔女が店主をしているレトロでアンティークな喫茶店がありまして、
そこの店主さんは昨日投稿分の、「世界線管理局」なる厨二ふぁんたじー組織の局員でした。
「主人様!先々週から稼働してる『おせっかいの金平糖オルゴール』、砂糖代とレモンピール代の節約で莫大な利益をもたらしていますよ」
にゃー、にゃー!
店長の使い魔猫、ウルシが言いました。
「ご主人!客から『オルゴールの金平糖を売ってほしい』との要望も増えてる。売り上げのためにも、オルゴールの金平糖を増やそう!」
にゃー、にゃー!
店長の使い魔、ジンジャーも言いました。
「『おせっかいの金平糖オルゴール』って何」って?それは過去投稿分のおはなしなのです。
過去作1月11日投稿分に、
周囲の人間の悩みや苦しみを少しずつ吸い取って、それを材料に、指定された風味の金平糖を作り出すオルゴールが登場したのです。
が、1月11日投稿分までのスワイプが面倒なので、気にしてはいけません。
「主人様、もっと客から苦しみを吸い取って、金平糖を作って、砂糖代を節約しましょう!」
「ご主人、もっと客から悲しみを吸い取って、金平糖を作って、客に売って利益を出そう!」
にゃーにゃー、にゃーにゃー!
繁盛と高コスパを狙う使い魔猫が、店長に怒涛の提案を畳み掛けました。
でも魔女の店主、人間の心を一気に吸い取ることの弊害と反動を、よくよく知っておりました。
「だめよ」
魔女の店主、言いました。
「人間の心は、人間の体と一緒で、いきなり大きく動かしたら疲れてしまうのよ」
ほら、「心を一気に食わせた結果どうなるか」の言い訳が、丁度やってきたわ。
魔女の店主が喫茶店のドアに目を向けると、
チリンチリン、世界線管理局の男の人が、ドアを押して、入ってくるところでした。
「アンゴラさん、チカラを貸してください」
魔女の店主を「アンゴラ」と呼んだ彼は、ビジネスネームを「ツバメ」といいました。
「ウチの部長の姿が、最近、昼休憩の間だけ見当たらないのです。あなたの魔法や占いで、何か、彼に関するヒントを頂けませんか」
ここから今回のお題の回収です。
ここから前回の投稿分に繋がります。
「部長が気になるなら、良いものがあるわ」
魔女の店主、今朝の占いの結果として、自分の喫茶店にツバメが来ることを知っていたのです。
「『言い訳物語の羅針盤』を、持っていきなさい」
それが今日の、「あなたへの贈り物」よ。
にっこり笑った店主はそれっきり、ツバメから目を離して、「次」に来るお客のために紅茶の準備を始めたのでした。
「その『言い訳の羅針盤』というのは、どこに」
「収蔵部のドワーフホトに探させているわ。今頃、もう見つけて、経理部のお友達のコタツの中で、いっしょにお昼寝してる頃じゃないかしら」
「ひるね、ですか」
「そう。昼寝よ」
さぁさぁ。もう、お行きなさい。
ここに「あなたへの贈り物」はありません。
茶っ葉の缶とティーポットを揃えて、湯を沸かし始めた店主は、ただツバメに視線でもって、ドアの先を示します。
「協力、ありがとうございました」
仕方がないので、ツバメはドアを開けて帰ります。
その後のツバメと「ツバメのところの部長」のおはなしは、前回投稿分でご紹介したとおり。
喫茶店はまた、心地良い静寂が戻ってくるのです。
おしまい、おしまい。
1/23/2025, 4:10:27 AM