誰かしら?
あなたの教科書をゴミ箱に捨てるのは。
誰かしら?
あなたの上履きに画鋲を入れるのは。
誰かしら?
あなたの体操着を切り刻むのは。
誰かしら?
あなたの机をクレヨンで汚すのは。
誰かしら?
あなたの席を捨てるのは。
み〜んな気づいてない。クラス一人残って、自分の席を一生懸命拭きながら泣いている子を。
誰だと思う?誰が主犯だと思う?こんなに泣かせる悪いやつってどんなやつだと思う?
可哀想なゆづ。誰も寄り添ってくれないのね。ゆづのためなら、私、いつでも寄り添うのに。
「みさき…ちゃんっ!ぐすっ…、」
「なぁに?」
「酷いのっ…!なんで、私だけっ…!誰がやったのよぉっ…なんでっなんで…みんな、私を無視するの…、私には、みさきちゃんしかいないのぉ!」
「誰かしらね。そんな、ひどいことをするの。大丈夫。私はいつでもあなたの味方よ?」
「うんっ…!ありがとう…。」
「…私、先生に用事ごとを頼まれているの。だから、一緒には帰れないわ。ごめんなさいね。明日は一緒に帰りましょ!」
「、わかった!約束ね!」
「えぇ!もちろん。約束。」
ゆづと別れてから、職員室に行き、先生と話してから、教室においていたバッグを取りに来て、自分のバッグを漁る。
私が取り出したのは、クレヨン。
「ふふっ!間抜けなユヅちゃん♥」
私は、鮮やかな赤色のクレヨンで、残酷な落書きを始めた。
3/2/2025, 2:41:43 PM