「窓越しに見えるのは」
いつも真っ暗な窓を眺めている
隣の女の子。
ドジって骨折した俺は入院したんだけど、
そしたら隣にさっき言った女の子居たんだよね。
って、俺の話は誰も聞いてないか。
.....分かってるよ、女の子の話だろ?
んで、「なんで真っ暗な窓見てんの?」って聞いた訳。
そしたらさー「夜空を見てるの。」ってさ。
明らか夜空ではないだろ、とか思ったけどさ。
まぁさっきも言った通りここ病院なわけ。
まぁなんか幻覚とかの病気の一種かなと思って
「そーなんだ。」
て軽い返事だけしといたけど。
...........あれ、当たってたには当たってた。
もっと悪い方だったけど。
それから女の子とよく話して仲良くなったんだけど、
とうとう俺も退院する日に。教えてくれたんだ。
星。親族らしい。
意味分かんねぇだろ?俺だって最初だったら
分かんなかったと思う。けど、、
意味。分かった、分かっちまったんだ。
確かに考えたらそうだったんだ。
なんでずっと入院してんのにお見舞いに誰も来やしない
そりゃあ来るわけない。
だってそもそも居ないんだから。
そこで親族の自分の知ってる人全員が亡くなった、
全てを失った少女は精神的に崩れた。
だから今でも病院にいる。
亡くなった人は星になる。そういう教えがあったらしい
妄想、幻覚の類で星を見てるらしい。
今でもずっと、過去に囚われている、
少女が"窓越しに見えるのは"
親族の過去に煌めき星。
俺の"窓越しに見えるのは"
まだ幼い少女の切なくも刹那に消えるような、
淡い笑顔だった。
7/1/2024, 12:36:51 PM