冬眠

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「太陽のような」

 ただっ広い草原の中心に咲く花は、誰に見られるまでもなく、静かに揺れている。そこを訪れる人はおらず、動物の姿さえも見られない。肉や草を食らいながら生きる生物には、この環境は酷なのだ。
 だから、花が一輪咲いている。誰に見られるでもなく、自分の意思もなく、ゆらゆらと。一体何処からやって来たのかは分からない。神の悪戯で落とされたように、絵画のような視界。
 誰にも見られずとも、枯れて朽ちる時を待つ花は、太陽のように悠々としていた。

2/22/2024, 10:19:24 AM