能力者になりたい佐々木海星(偽名)

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【遠い昔の記憶】
さとり「お燐、お空。こいしを連れて逃げなさい…。………………………………………………。」
これがさとり様と話す最後の言葉だった。最後はなんていったっけ?
 現在、「古明地こいし」が幻想郷中に指名手配され、追われている。
猫燐「お空、あんたはこいし様を連れて隠れて。早く!」
次々と私の家族が消えてゆく。
こいし「ごめんね。私のせいで、みんなが…。ここからは私一人で行く。」
空(うつほ)「でも、それは。」
こいし「これ以上家族に迷惑かけたくないの。ごめんね…。」
ついに一人になった。雨が降ってきた。泣き目に蜂とはこういうことを指すのか。あれ?私はどこにいたんだっけ?今はどこなんだっけ?記憶が遠のいてく。行かないで。行かないで。
空「私は誰?いったい何をしていたの?」
空(そら)はだんだん暗くなった。私の感情と共に。
空「私は人間?羽があるから鳥なのかな?」
この世界はどんなところなんだろう。私の持っている知識なんて手で数えられるぽどしかない。
空「視界が…歪んで見える…のは…気の…せ…い。」
私は足から崩れるように倒れた。
 目が覚めた。見知らぬ天井。起き上がって周りをみても知らない物だらけ。
海星「お目覚めみたいだね。」
空「貴方は誰?」
海星「この街の商人さ。君が倒れてたから、一大事だと思って寝かせただけの一般人です。」
私は慌てて立ち上がり、お礼を言おうとした。しかし、思うように足が動かず。お尻から倒れてしまった。
海星「いいよいいよ。無理しなくて。君が居たいだけここに居な。」
空「あ、ありがとうございます。」
海星「うん、じゃぁ僕は今から仕事があるから、何かあったら呼んでね。」
その男は、玄関の方に向かった。足をみてみると、包帯が巻かれてあった。少しめくってみると、相当深い傷ができていた。何があってこうなったのか、全く見覚えがなかった。
 ここでの生活を続けて数年がたった。度々、佐々木さんの仕事の手伝いをして、時には、一人で出かけるようにした。今日は佐々木さんと外をふらついていた。
海星「君から誘うなんて珍しい。なにかあったのか?」
空「いえ、何も。ただ、そういう気分だっただけです。」
海星「優惟(ゆい)も色々とあるんだな。」
「優惟」。私が自分の名前を忘れたから、佐々木さんがつけてくれた名前だ。
空「いろいろと言っても、何も思い出せてないですけどね。」
一人で散歩する理由は、自分の記憶を取り戻すためである。しかし、それを続けても未だ成果を上げられてない。
海星「ほら、あの木を見て!あれは1年間ずっと枯れない木なんだよ。」
空「へ〜。そうなんですね。」
初めて見た。しかし、あれはなんだろう。木の下になにかが落ちている。私は近くまで行き、それを手に取った。
空「指名手配の古明地こいし?」
海星「ああ。それね。まだ捕まってないらしいよ。怖いね。何をしたかは知らないけど。」
引っかかる。何かが私の脳内で突っかかるように…。あ、

さとり「3人とも、必ず3人で帰ってきて。」
                      」
空「さとり…様。」
海星「どうした?」
空「思い出した。思い出しました。佐々木さん!」
海星「そうか。それは良かった。」
空「私、行かないといけないところがあります。」
海星「わかった。ほとぼりがさめたら帰っておいで。」
空「はい。この数年間ありがとうございました。」
私は急いで地霊殿に向かった。遠い昔の記憶。これがなかったら、私はきっと…
                     end

7/17/2024, 11:36:11 AM