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【祈りの果て】

古びた神社の境内に、朝から三人分の靴跡が伸びていた。

「よし、最後の一枚や!」

彼は賽銭箱の前で、友人の受験票を掲げて叫んだ。
周りの参拝客が笑って振り返る。
本人は真っ赤になって手を振り下ろした。

「おい、恥ずかしいやんけ。」

「神様に届くように、声を出すのが大事なんや。」

「いや、お前が受験するわけじゃないからな。」

そんなやり取りに、雪混じりの風もどこかあたたかかった。
彼らは夜遅くまで勉強に付き合い、コンビニでおでんを分け合い、眠い目をこすって励まし合った。
「祈り」と呼ぶよりただただ“全力の応援”だった。

数週間後、結果発表の日。
掲示板の前で、友人の声が弾けた。

「受かった! まじで受かった!」

「ガチ!? 神様ほんまに聞いとったんや!」

三人は肩を組み、雪解けの道を転げるように笑いながら走った。

祈りの果てにあったのは奇跡よりもずっと確かなこと。

――一緒にふざけて、信じ合える仲間がいるという幸せだった。

11/13/2025, 1:55:45 PM