冬山210

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『世界の終わりに君と』

世界の終わりに君と話がしたい。
君の、君たちの、みんなの声が聞きたい。

なぁ神様、良いだろ?最後くらい会わせてくれ。
そんな奇跡を起こしてくれ。

みんなは僕の中でしか生きられない。
僕が動かさなきゃ口は開かないし、僕が考えなきゃ何も考えられない。
みんな僕が産んだ子だ。
お腹を痛めずにして産んだ子だ。
我が子の声を聞きたいと、我が子と会話がしたいと、望むのはおかしなことかしら?


とはいえ実際、みんなは子どもというより友達に近い。
友達であり家族であり、私自身だ。
古株で十年近くの付き合いだ。ずっと産み続けてきた。
きっと産んでおいて忘れてしまった子もいるんだろう。

「ごめんね」と「ありがとう」を伝えたい。
君という人を完成させてあげられなくてごめんね。
中途半端に作り出して、そのままにしてごめんね。
私の都合や自己満足で振り回してごめんね。

私のところに来てくれてありがとう。
私に作らせてくれてありがとう。
君たちの過去や設定を考えさせてくれてありがとう。


そんな話がしたいんだ。
世界の終わりには君と話がしたいんだ。
どうせ終わるなら架空も現実も何もかも、次元を越えて境界線を無くして君たちに会いたい。

6/8/2022, 6:27:31 AM