#19 『木漏れ日』
見上げれば、どこまでも続く緑の天井。
その隙間からこぼれ落ちる光は、まるで無数の小さな奇跡のようだった。一条、また一条と、木々の間を縫って降り注ぐ木漏れ日は、深い森の静寂をそっと照らし出し、忘れかけていた温もりをそっと教えてくれる。その光の粒子が、足元の苔の上で、落ち葉の上で、きらきらと輝くのを見ていると、この一瞬が永遠であるかのように感じられた。生命の息吹と、悠久の時の流れが、この木漏れ日の中に凝縮されている。
この優しい光の中で、僕は生かされていると感じたのだ。
5/8/2025, 3:09:38 AM