今年のだいたい5月頃、「光り輝け、暗闇で」なんてお題なら、配信されてた気がする物書きです。
ちょうど同じジャンル、同じ照明系、灯光系のお題の中に、自分から光を発する陽キャドッグ、魔法わんこを登場させておりましたので、
今回はその、陽キャドッグのおはなしをご紹介。
最近最近の都内某所、某キャンプ場で、
某稲荷神社の稲荷子狐と
陽キャドッグと同じ職場に居る男女2人ずつが、
陽キャドッグの魔法の光、もとい、灯火を囲んで、
明るく温かく、キャンプディナーしておりました。
陽キャドッグは魔法の犬。
「ここ」ではないどこかの世界で、人間の生活を豊かにするために作られた、魔法生物。
ワンコをワンコと考えぬ、非情で冷血な研究員が、人間のためだけを考えて作り出した犬
だったのですが、
その魔法生物、今の職場に引き取られまして
良いジャーキー、良いクッション、良い遊び道具に新しい飼い主たる職員を与えられて、
かつ、稲荷神社の子狐とも、半年くらい前、たいそう仲良くなりまして、
今では悲しき魔法生物から、しあわせな陽キャドッグに大成長。
それはもう、幸福に犬生を謳歌しておるのでした。
で、その陽キャドッグ、今日は職場、世界線管理局の局員に、キャンプに連れ出してもらいまして。
もちろん陽キャドッグの友達、都内在住の稲荷子狐もキャンプに招待されまして。
夜はパチパチ、近くで小さな焚き火を焚きつつ、
陽キャ照明ドッグの柔らかい照明、もとい灯火を囲んで、温かいお肉やスープを楽しむのでした。
「わんわんさん、わんわんさん!ましまろ!」
照明・灯火係をしている陽キャドッグの代わりに、
友達のコンコン子狐が、焚き火でマシュマロを焼いてきて、陽キャドッグの前に座りました。
「キツネが、やいたんだよ」
子狐が尻尾をぶんぶん振ると、陽キャドッグもぶんぶん、ぶんぶん!つられて振り返します。
「正しくは俺様がほぼ手伝ったけどな」
「まーまー。コンちゃんも、頑張ったよぉ」
マーマレードチョコソースでマシュマロをコーティングするのは、陽キャドッグの職場の女性陣。
陽キャの光の輪に戻って、子狐や陽キャドッグを撫でながら、一緒に焼きマシュマロを楽しみます。
「部長もマシュマロ、焼きますか?」
「甘過ぎるものは好かない」
「意外と焼肉のタレや一味と」
「合うのか?!」
「ふと考えただけです」
バーベキューの炭火の世話をするのは、陽キャドッグの職場の男性陣。
時折陽キャの光の輪に戻って、取り皿に肉を補充したり、コーヒーやココアのおかわりを足したり。
陽キャドッグの照明、もとい灯火を囲んで、
マシュマロ、お肉、スープにコーヒー。
陽キャドッグも職員からお肉を貰って、子狐と一緒にマシュマロを食べて、とっても楽しそう。
「便利だな……」
「どーしたのぉ、ツバメさん?」
「いや、照明用として、彼が優秀なものだから。
彼が気に入れば、またキャンプに連れ出そうかと」
「ワンちゃん、彼『女』かもしれないよぉ」
「え?!」
「メスだったら、ツバメさんとじゃなくて、
あたしたちと一緒に女子会キャンプしようねぇ。
ね、ワンちゃーん」
わいわい、わんわん、こんこん。
不思議な灯火を囲んで為されるキャンプは、
マシュマロ焼いて、お肉も焼いて、
自分から光り輝ける魔法の陽キャドッグは上機嫌。
楽しく、仲良く、夜を過ごしましたとさ。
11/8/2025, 9:42:28 AM