名無しの夜

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時よ止まれ

——とまでは、思わないけれど。

このままずっと、この仲間とこの間柄が続けばいいのに、と願ったことは何度もある。


子供時代は、親の転勤で引越すことが多く。
友好関係は築いては無くなり、を繰り返した。


悲しい、寂しい、悔しい——


そんな思いを繰り返すうちに、『ずっと』は望めない、望んでも無駄なのだと、諦めた。


『ずっと』がある人も、もちろんいる。

けれど私には、なかった。


そういう星回り的なものかもしれない。

もしかしたらこの先にあるかもしれないけれど……、多分ないのじゃないかな。


でも、いいんだ。


『ずっとこのまま』

そうありたいな、と思う時は、結構たくさんあったもの。

そして『ずっと』はありえないから、その時を精一杯、できる限り満喫しようと思って過ごしてきた。


思い出は、たくさんたくさんあるの。


キラキラ光るようなことばかりでもないけれど、とても大切な思い出だ。


『ずっと』はなくとも。

揺らいで延々と変容していくのも悪くないな、と思うのです。

1/13/2024, 8:35:51 AM