霜月 朔(創作)

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あの夢のつづきを



私は、貴方と夢を見ます。
それは、余りに背徳的で。
けれど、酷く甘美な夢。

夢の中では。
私には、貴方以外の恋人はなく、
貴方には、私以外の想い人はない。
そんな…二人だけの世界。

けれど、外の現実では、
私も、貴方も、
立場と責任という鎖に縛られ、
触れ合う事は、赦されません。

それでも、私は、
何処か空虚で満たされぬ、
心の空洞を埋めるように、
貴方の温もりを、
求めずにはいられないのです。

現実が幻であり、
この夢こそが真実なのだと、
そう信じながら、
貴方の熱に蕩けて、
魂の輪郭が溶け合い、
魂さえ、一つになるのです。

夜という闇が、
優しく包む夢の中で、
甘い毒に酔い痴れます。
それは。
蠱惑的な罠に囚われた、
二人だけの秘密。

私はただ、
あの夢のつづきを、見たいのです。
今夜も、明日の夜も。
例えこの罪が、白日の元に晒され、
互いの破滅を迎える日が、
訪れるとしても――。

1/13/2025, 9:23:54 AM