—限界社会人—
初日の出を丘の上で見ていると、近くにいた男が膝から崩れ落ちた。
周りには俺とその男しかいない。気になって声をかけてみた。
「大丈夫ですか?」
男は震えながら顔を上げた。
彼は真っ青な顔をしていた。
「願いが届かなかった……」
「願いですか?」
男は大きく頷き、また項垂れる。
「どんな願い事をしたんですか?」俺は訊いた。
「『太陽が昇らないでくれ』と願ったんだ」
男は俺の両肩を掴み、叫んだ。
「太陽が昇ったら、新しい日が来てしまう!仕事に行かなきゃいけなくなるじゃないか」
男は、四つん這いになって泣き出した。今度は、俺が彼の肩に手をかける。
背中をさすり、慰めた。
空を見上げると、日が静かに輝いている。
今年就活の俺は、こんな人にはならないように頑張ろうと思った。
お題:日の出
1/4/2026, 6:45:13 AM