あの頃の私には人生も時間もかけるほどの夢があった。
運命ではなかった、奇跡でも、偶然でもない。只々、好きになろう、自分の夢中になるものを創ろうと考えていただけであって結局はなんでも良かった。
私だけの夢そんな夢を話した瞬間に肯定されるのもすごく嫌だった。私は自分の夢を独り占めしたかったからだ、なんでもいいけどコイツには越されたくないと。
必死に努力した。全てを注ぎ込んだのだ。
でも、いざ目の前にすると、あぁ自分は向いてはいないのだなと、ネットを見ればそれぞれの生まれ持った環境で成績を伸ばす自分より遥かな年下のやつにも、心を打ち砕かれる。
努力すればするほど今の自分では足りないことがわかってくる。時間が経てば経つほど、不安は募るばかりで諦めることで胸も頭も一杯だった。
生憎自分の夢は叶うことができた。合格という文字を嗅ぎつけた心無い言葉をかけていた親戚がまるで応援していたかのようなそぶりで駆けつけた。
そんな場所はすぐに離れた。親元を離れ1人で暮らす、不安はあったような気はしたが、実家にいるよりも心地が良かった。
時間が経つごとに知ることになる。
夢を叶えた自分と努力をしていたのに叶えられなかった人、すごく気持ちがいい、誰かの上に立つことが生まれて初めての快感で仕方がなかった。
好きなことが業務化する中で知った。
落ちたアイツは成功したらしい。
会社を建て社長になり家族ができたそうだ。
私はアイツをカフェに誘った。
随分と呑気にアイツの口から出る言葉に嫌気がさす。
君はいいよね、社長になれて
自然と口から出た言葉と、アイツの口から出た言葉に私は負けた。
君だって夢を叶えただろう?
3/29/2026, 4:35:03 PM