織川ゑトウ

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『日常色(にちじょうしょく)』

非日常的なことを人は好むだろう。
だけれど、それはあまりにも辛く残酷だ。

誰かが言った「魔法が使いたい」
そんなに簡単なものではない。人を殺せたりもする。
誰かが言った「駆け落ちしたい」
実際には幸せになれる可能性は0に等しい。
誰かが言った「天才になりたい」
天才にも、天才なりの悩みがあるものだ。

誰かが言った「こんな日常はもう嫌だ」
なにかに耐え続けているのだろうか。

明るい日常。暗い日常。
赤い日常。青い日常。

君の「日常」はどんな色かな。
黄色く明るく輝いている?それとも、薄汚れている?

君の目にはフィルターがかかって、モノクロの日々を過ごしているかもしれないね。
でも、焦らなくてもいいんじゃないかな。
だって、それが君にとっての「日常」なんでしょう?
モノクロの日々にも少し工夫を加えるだけで、色んな色が浮き出るよ。

例えば白と黒を混ぜれば灰色に。
白を少し強くするだけで、ほぼほぼ白に近い色に。
君の心臓の赤色を足せば、さらに色んな色が浮き出る。

変わらない日常もまたいい。
自分の唯一無二の居場所になる。

でも、代わり映えのしない日常に飽きたのなら少し外を見てみるといい。
街灯の明かり。人々の声。信号の青色。
君の日常にこれから添えられる色だ。

……そうして、僕は今日も語りかける。
日々頑張る君達に。迷い踊る子羊達に。

この世の終わりが来る日まで。


お題『私の当たり前』

今回お題難しいですね。型にハマらないをモットーとしている私にとっては強敵でした

7/9/2023, 1:07:27 PM