ほのぼのな人間です。

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【1年後】




「あ…俺、タヒんだのか」


花畑にいるってことは…タヒんだ事を言ってるのか。


「あの人、もしかして…!!」


遠くにいる女の人、俺はすぐに分かった。


「おーい!」


彼女だ、付き合ってるあの子だ!


「!………」


「今そっちに行く!」


花を踏まないように急いで彼女の元へ走ろうとしたが、


「ーーーー。」


「ん?…何言ってるんだ?」


今にも泣きそうな彼女が俺に何かを訴えてた。


「……足が」


急に花の茎が俺の足を動かせないよう固定した。


「あっちに行かせてくれ!」


泣きそうな彼女を黙って見るなんて…彼氏失格だ。


「1年後!!」


急に彼女が大声で言った。


「1年?」


急に俺の視界が崩れたと同時に彼女の顔が大粒の涙でいっぱいになった。


あの夢から4年後、俺は結婚し、妻が子どもを産んだ。


「そうか…もう4歳になるのかー」


「ほんと、子どもの成長って早いのね」


「パパー」


「どうしたー?」


「わたしね、お花いっぱいのところにいたんだ」


「お花…?」


娘から「お花」の単語を聞いて俺は無意識に記憶を辿った。


「でもねー、わたしないちゃったの」


「………!」


「おとこのこがはしってきたからー…」


この時、俺は全てを思い出して理解した。


あの夢から覚めた時、俺は病室で寝ていた。


事故だった。沢山の歩行者を轢いた事故。


その時、ちょうど付き合って3年の彼女といた」


楽しいデートになるはずだったのに、一瞬で崩れた。


俺は一命を取り留めたが…彼女は当たりどころが悪く、タヒんでしまった。


辛かった。消えたかった。彼女と一緒にタヒにたかった。


それでもなぜか俺は前向きに生きて、今の幸せを掴んでる。


「わたしね、こないでっていったの。」


彼女がタヒんでから1年後に俺は結婚して妻が妊娠した。


待望の子ども、もしかしたらだけど…


「彼女ちゃんか?」


「だーれ?」


…あの時付き合ってた女の子。


もし娘が彼女の生まれ変わりなら、あの時の言葉は…






俺の未来を暗示していたのかもしれないな

6/25/2023, 5:57:03 AM