日が暮れるのが早くなった秋の夜、
「そこにいる」のに「そこにいない」
彼女に会いに行った。
友達は、「きれいだね」と言って泣いた。
けれど私は、死化粧をした彼女を
きれいとは思えなかった。
仕事で心を病んで、通院を始めた頃
だったからだろうか。
葬儀には出なかった。
私の携帯には、今でも彼女の番号が
登録されている。
ごめんね、友達甲斐のないやつで。
自分だけが可愛くて。
感情は無くなっていても、
自分のことは守っていて。
こんな友達でごめんね。
ごめんね。
「特別な夜」
1/21/2023, 12:22:26 PM