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助けて、と言えたらどれほど良かっただろうか。
またここにいる。
また、凛の家に閉じ込められている。
「ね、皐月。」
「な、なんだい…凛…。」
「どうして、私から逃げるの。」
「逃げてなんかないさ…」
逃げるわけが無い。
逃れられないのだから。
もうとっくのとうに諦めているよ。
だけど、
あの甘くて蕩けそうになるくらい気持ちのいい。
アレが欲しいんだ。
「皐月は何をして欲しいの。」
あぁ、分かった。
そう言って凛の手に持っているのはムチ。
痛いことを、されるんだ。
それなのに思考と相反して
私の体はいつの間にか火照っていた。
「悪い子にはお仕置しないとね?」
あぁ、この快楽に逃れられないんだ。
ごめん、椛くん。
私は君のことが好きだよ。

5/23/2024, 12:06:15 PM