村人ABCが世界を救うまで

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凍りつくような夜だった。

朝から遠方射撃の波を越え、生きているものだけで空と地上から後方を落としながらの逃避行を続けている。
我々を乗せた飛竜は時折り高度を落とし、御者は手綱を引き絞りたたえては持ち直す。何度繰り返しただろう。

数々の条約のうえに組まれた連合軍は、突然何かが合致したらしい。今朝方、連携のとれた波状攻撃を加えてきた。紙面の契約はそれほどまでに確固たるものなのか。

地上の部隊は数を減らし、空を飛ぶ竜騎兵も何匹か撃ち落とされた。それが昼過ぎのことだった。
今は不気味なほどに何もない。追尾や追撃は止んだのか、それとも油断を誘っているのか。疑心暗鬼になり、皆もう何もしゃべらない。

術符の守護の集中力はとっくに限界を超えていた。
零下の中、指先も耳ももう感覚がない。雲の上は無限に続く重苦しささえ感じる満天の空。気流は音を遮断し温度しか感じない。この世界からそのまま息絶えてしまいそうだ。



星が溢れる

3/15/2026, 11:52:45 AM