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体力回復の夜(テーマ 束の間の休息)


 22時過ぎ。
 会社から出て、眠い頭を抱えつつ、行きつけの24時間スーパーへ向かう。

 軽くお腹に入れるものを買い、半分寝ながら自宅へ。


 独身中年男の、誰も待っていない家。

 ゴミがそこかしこにある、荒れた部屋。

 寂しいとか、汚いとか、時間があれば考えるのかもしれないが、とにかく、さっき買ってきた夕飯を胃袋に詰め込む。

 これで後は寝るだけだ。

 シャワーの一つも浴びたいところだが、そのまま寝る。

 早朝に起きるためには、自分的にはいくつかコツがある。
 寝るときに疲れを身体に覚えさせないことと、起きた後の熱いシャワーと、冷水。
(これで何とか目覚めをよくして、5時起き、6時に会社へ行く。これで朝礼までの貴重な作業時間を確保するのだ。)


 気分は戦場の兵士だ。
 僅かな休憩をキチンと体力の回復に使うことで、少しでも生存率を上げる。

 早速ベッドに倒れ込む。

(あー。学生の頃にゲームでキャラを酷使した罰が下ったのかな。)

 よくプレイしたそのゲームは、夜は限界なら翌朝6時まで活動できた。そして8時からまた活動できたので、キャラクターを訓練に次ぐ訓練で酷使して、能力を向上させていた。
 

 今は、自分が死なないために、睡眠時間を確保するのだ。

 12時から5時までの5時間。

 体力回復し、脳の老廃物を洗い流して、翌日の仕事に備えるのだ。

 明日も仕事が詰まりに詰まっている。

(あー、ワークライフバランスが取れた職場に転職したい。もうなんか、バイトでもいい。)

 そして、明日のために、意識を手放した。

 束の間の、僅かな休息。

10/9/2024, 9:57:25 AM