完璧という言葉は、僕のことを指すのです。
完全無欠とは、僕のことなのです。
僕は完璧な人間ですから、何も失敗しません、何も間違えることはありません。何せ完璧ですから、完全で無欠なのですから。
人の意思も、行動も、言の葉も、運命さえも、僕がそうしようと思えば、全てが僕の手の平の上で、僕の思うままに踊るのです。完璧な僕のために、全てが上手く行くのです。
ですが、最近とあることに気付いたのです。
僕は完璧です。それは変わりありません。
ですがですが、僕には友達が居ないのです。
話し相手は居るけれど、それは完璧な僕のために生きる働き蟻ですから、友と呼ぶのはおかしいでしょう?完璧な僕は、当然寛大ですから、蟻を友と呼ぶことも勿論出来るのですが。
完璧な僕に友達一人居ないのは、不思議なことでした。
どれだけ蟻達に情を抱こうとしても、僕には出来ないのです。
そこで、完璧な僕はまた気付くのです。
僕は完璧でも完全無欠でもないのです。
どこかが欠けてしまっていて、それがこの孤独を生み出しているのです。
完璧な僕は、それを理解することが出来るのです。
『不完全な僕』
8/31/2024, 11:27:03 AM