「愛してるよ」
別れ際、君はにやりと笑って踵を返した。
「‥…は、」
ふざけるな。何がだよ。
あんなもの、愛なんて呼ぶんじゃない。
あんな独りよがりの独占欲なんて。
宝箱だと思って開いたら底無しの毒沼だった俺の気持ちが分かるか?
もうとっくに愛情なんてなくて、怖くて、
だけど切り捨てられずに惨めったらしく過去の思い出にすがる苦しさが分かるか?
もしかしたら、何てありもしない希望に宙ぶらりんになって手の平が裂けたんだよ?
なんで、ようやく決心して、解放されると思ったのさぁ。なんでそんなひどいこと言えるの?
そんなの言われたらさぁ、もしかしたら幸せになれたのかもって思っちゃうじゃん。
もう、本当にさ、
「死んでくれよ。」
9/29/2024, 9:25:08 AM