『ひそかな想い』 口に出さない。 知られることが恥ずかしいか。 想い実らぬのが怖いのか。 そうではない。そうではなくて。 単純に、口にすればその気持ちが現実となるからだ。見まいとしていたこの想いを、直視せねばならないからだ。 見なければ、気づかなければ、知らない顔をできるのに。 認めてしまえばこの奇異な感情が恋という名を得てしまう。 そんな気持ちで后は今日もしもべに眼差しを投げない。決して。
2/20/2025, 11:16:27 AM