どこに向かうでもなく歩く。正直なところ目的地はどこでも良かった。歩きたいと思う気持ちすら不確かだった。昨日まであったはずの部屋の空気はどこかへ消え去ってしまった。外の新鮮な空気が身体じゅうを駆け巡る。足を前へ運ぶ。ふと、顔を上げると鋭い眼差しの信号機と視線がぶつかった。僕はどこへ行っても、僕から逃れることは出来ないようだった。
10/15/2024, 10:28:23 AM