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世間はクリスマスだというのに、私は今日も変わらず家で寝ていた。何もすることなんてない。いつも通りの日だった。恋人とやらが身近に居たならば、そんなことは無かっただろう。だが私には恋人は居ない。独りで家に居たのである。私は閑静な家で独りで過ごすのは、そんなに悪いものではないと思っている。(世間はそれを強がりだと言うのだろうが、そんなつもりはない)外よりも暖かく、炬燵に丸くなって、蜜柑か何かを食いながらテレビでよくわからない番組を見る。無理に外に出て寒さを感じながらイルミネーションやクリスマスのイベントに行くよりも、暖かいこういった生活のほうが、私は幸せだと感じる。そして外には、庭で犬が駆けている。そんな光景を窓から見るのも、その理由の一つである。
これがそんなに世間で悪く思われているのだろうか?私は到底理解できなかった。
もともとクリスマスというのは、日本で生まれた行事では無かったはずだ。だがこういった行事が積極的に今催されているのは、人間の生活の変化の末なのだろう。神の誕生を祝う日なのだ、外に出てみればどうだと、それ故問われることがあるが、そんなことはしない。恋人と抱擁し合う日になるくらいならば、神様に祈りを捧げろと思うこともある。こういう妬みのせいで、私は弱者扱いされるのだろう。しかし私は外に出ない。炬燵から出たら、このまま眠りについて、来る大晦日を、おとなしく待とうと思う。

12/25/2024, 1:26:50 PM