はた織

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 確か、音楽番組の特集だったか。歌手の名も忘れたが、いわゆる大御所と呼ばれるような人物が、若手の歌手に、「はっきりとした日本語で歌え」と叱っていた。
 英語のように、隣り合った単語をくっ付けて発音するやり方は、英語にしか表現できない。だが、その表現を日本人は日本語でもやりたがり、癖のある歌い方をする。お経の名残かもしれないが、同じ発音なのか分からない。
 私は音楽を聞いて楽しむだけだ。才能も無ければ知識もない。ただJ-popの中には、英語で歌いたいが無理なので、日本語で代用しているようにしか聞こえない曲が多々ある。はっきりと言って、日本語でも何でも無い。ただの雑音だ。
 結局のところ、その国の母語の発音を大事にした音楽が、その国民はもちろん、他国の人々からも愛されるのだろう。
 母語を気持ち良く歌った曲は、最近だと『シンデレラグレイ』のエンディングテーマの「♾️」だ。最初から最後まで日本語を響かせる良い曲である。英語を真似したような癖もあまり無い。
 案外、日本語として聞ける現代のJ-popは少ないのかもしれない。だから、日本語がよく聞こえる音楽が今の世に生まれたら、大事にしていきたい。
 「♾️」が、後世の人々にも歌われ、やがては美しい日本の言葉を歌った曲として、歴史に刻まれたら良いなと壮大な夢を見ている。
                    (250524 歌)

5/24/2025, 1:37:03 PM