とらうとさーもん

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あれはよく晴れた日のことでした
その日もあの子は大好きなプールに行きました
あの子はその頃足を悪くしてしまって、大好きだった散歩に行くのもあまり乗り気のしない感じだったけれど、唯一プールにだけは行っていたんです

真っ青な空と、12月には似合わない暖かな陽気、木々のざわめきの中、あの子はいつも遊んでいた庭を父の腕の中でくるりと見回したそうです。

わたしは、あの子の状態を聞いて急いでおばあちゃんの家に行きました。

間に合いませんでした。
ただひたすら、彼女のふわふわな毛を自分の涙で濡らすことしかできずあまりにも唐突に訪れた理不尽な別れの中で、自分の手についた黄金色の毛を見つめることしかできませんでした。

5/20/2024, 6:49:51 AM