『なまえをつけてよ』とそれは言った。
ぼくはそれを◯◯チャンと呼んだ。
おかあさんに◯◯チャンの話をしたら、「それはだぁれ?」と言われた。◯◯チャンは◯◯チャンだ。誰でもない。いつもぼくと話してくれるから、さみしくない。
いっしょに作った歌をうたう。なんだかぼんやりしていた◯◯チャンは笑ったり泣いたりおどったりして、いつしか手をつなげるようになっていた。
あんなに一緒にいたはずなのにな。僕はもう◯◯チャンの声も姿も名前も思い出せない。
もしかしたら、まだ傍にいてくれるのかな。
たくさん遊んでくれてありがとう。楽しかったよ。
7/6/2023, 3:50:28 PM