KAINEKO

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【通り雨】

「通り雨だ。」

一人呟いた声は雨の中に消えていった。
さっきまで晴れてたのに。
そういえば朝の天気予報で通り雨に注意とか言ってた気がする。
まあ折り畳み傘は常備してるから困ることは無いが。

「はぁ…。」

またしても呟いた声は雨に包まれ消えた。このまま私を包んで消してくれれば…なんて。

最近嫌なことが続いている。
今日も仕事でミスをし、落ち込んでいた為かかなり重大なミスをした。挙げ句の果てには取引先の方にお茶をかけて、上司に烈火の如く怒られた。
それだけじゃない。仕事も、人間関係も、恋愛も何もかも上手くいってない。
こんなんじゃ誰だって嫌になるはずだ。

そんな私の気持ちをよそに、いつの間にか通り雨は過ぎて青空が広がっていた。
そういえばこんなに晴れたのは久しぶりだな。

「…あ。虹。」

傘を閉じ、なんとなく、清々しい程の空を見上げるとそこには虹があった。
通り雨に洗い流されたかのように心が少し軽くなっていた。
そして何故だか、虹を見てると少しだけ、ほんの少しだけだけど、頑張ろうと思えるのだった。

「…明日も頑張るかぁ」

自分に言い聞かせるようにも聞こえることを呟きながら、大きく伸びをした。


・初投稿
・初心者
・語彙力皆無 …です。

9/27/2023, 11:08:38 AM