川柳えむ

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 私は星が好きだ。宇宙が好きだ。星空が大好きだ。

 実は小さい頃は星空が怖かった。
 暗闇の中に点々と白く輝くものがあって。なぜだかそれを見ていると、吸い込まれていくような気がして。星空に落ちていくような気がして。
 だから、夜に外を歩く時は下を向いて、両親の手をぎゅっと握っていた。

 いつからだろう? こんなに星空が好きになったのは。
 何がきっかけだったかもわからない。
 けれど、本格的に好きになったのは、天文学を学べば良かったと後悔するくらいには大人になってからだと思う。
 今は暇があればプラネタリウムに行き、流星群があれば深夜に街をぶらつく。そうするくらいには星空が好きだ。

 
「星空」

 気まぐれに始めた物書きアプリのお題に、その二文字が現れた。

 私の大好きな星空がお題?
 それなら、最高のものを書かなくては。
 今までも星に関する物語を書いたことはある。
 だが、それ以上のものを書きたい。もっと自分で納得できる、最高のものを!

 そう考えると、余計に何を書いたらいいかわからなくなる。
 思考が袋小路に陥って、どうしたらいいかわからなくなる。

 ――いや? そうか。

 唐突に理解した。
 そうだ。私がどれだけ星空が好きか、語ればいい。私が星空に抱く想いを、文章にして書き出せばいい。
 私と星空の話。それが私にとっての最高の物語だ。

 私は指を動かし始めた。


『星空』

7/5/2023, 11:01:56 AM