窓の多い家に暮らしていた。
夕方には雨戸を閉めるが、昼間は道路に面した窓はレースカーテン、そうでない窓はカーテンを開けて光を取り込んでいた。開放的で明るく、嫌いではなかったと思う。
ある時から遮光カーテンを閉め、家中の窓のロックを確認して周るようになった。
家の周りを見知らぬ男が自転車でぐるぐると周っていたのだ。廊下にいた私を見て、にやにやと笑い、リビングのレースカーテンの奥を見ようと顔を近づけてくる。
警察に通報したが、当たり前のようにパトカーを見た男は逃げ、警察は「いませんでした」と言う。
いつも見る夢は、男が鍵を開けて家に入ってくるのだ。
もう20年以上も同じ夢を見ては叫んで起きる。
こんな場所でないと、こんな話はできない。病んでいると、かわいそうぶっていると、面白可笑しく消費される。
ランボーと大して状況がかわらないことに最近気がついた。銃を持って立てこもらないことを、褒められても良い頃合だと思う。
7/1/2024, 6:25:52 PM