にや

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真っ暗な画面を起動して、今日もおまえに会いに行く。

強力プレイや、武器の強化がリアルで機械オタクの人気を集めているMMORPG。

そこで俺はおまえと出会った。

録でもない家庭で、録でもない親父に殴られては、
気が触れたお袋の慰みものになる。

機械いじりが好きだったから車の整備工場で働きはじめた。

底辺の俺でも働かせてもらえる、個人経営の小さな町工場。

キツい仕事で、客もクソ。

機械を弄ってる時と、家に帰って親父が鼾をたてた時に始めるゲーム。それが俺の癒しだった。

「今日も仕事キツくてさー」
「給料前だからイベントキツいわ」
「次のクエストどうする?」

どんな愚痴でも楽しそうに聞いてくれるお前に惹かれるのは当然だった。

直接会ってみたい。

このクソな世界でも、お前となら楽しくやれる気がする。

ハイランクプレーヤーなお前が、俺とばかり組んでくれるのも、俺に気があるからかもしれない。

お前は誰にでも優しいが、俺には特別優しい。


でもそれは 

優しさとは

限らない

そう知った時には全てが遅かった。

1/28/2024, 9:00:38 AM