友だちの思い出
(友達を作れなかった時期の思い出)
小学生になったときのこと。
体育の授業か何かで先生が、
『お友達と協力して、大きな石を
イメージして持ち上げて』と言われた。
クラスの皆は友達数人で一緒に抱えて
大きな石を持ち上げる仕草をしていた。
私は声をかけることができず
一人で重い石を持ち上げた。
『お友達と協力して、長いヘビに
なってみて』と次に言った。
クラスの皆は友達数人で一緒に繋がって
ニョロニョロ長いヘビになっていた。
私は声をかけることができず
一人で小さなヘビになった。
双子の私は、片割れと幼稚園でのクラス
も同じで常に一緒だったので、さびしい
思いをしたことがなく、友達の作り方を
知らなかった。二人でいると、勝手に
友達の方が寄って来ていた。
小学校に入ってクラスが別れ、はじめて
別々に行動することになり、あえて友達
を作る必要性を知った。
あのときの、重い石と小さなヘビは
今も忘れずにいて、その記憶は、今の私
をつくる糧となっている。
7/6/2023, 1:13:29 PM