ムワァっとして蒸し暑い自分の部屋。
まさかエアコンが故障するとはな……。
修理を頼んだが予約がいっぱいらしく、一週間後になると言われた。
直るまで頑張って暑い日々を乗り越えなければ……。
とりあえず、窓を全て全開にした。
扇風機を回すが、生温い風しか飛んでこない。
「げほっ!げほっ!」
蚊除けに火を点けていた蚊取り線香の煙も一緒に飛んできて、むせてしまう。
首に巻いているタオルは汗が染み込み、汗臭い。
麦茶を沢山飲んでるから、口の中は麦畑だ。
生温い風の匂い、蚊取り線香の匂い、汗の匂い、麦の匂い。
まさに、ザ・夏の匂いって感じだな。
なんとか三日は耐えた。
残り四日もこの調子で頑張るぞ……。
扇風機に当たっていると、インターホンが鳴る。
「……はーい!」
立ち上がった瞬間、目の前が歪み、そのまま真っ暗になった。
目を覚ますと、知らない天井と目が合う。
「目が覚めたかい?」
白衣を着た男性が、俺を見下ろしながら言った。
「あの……ここは……」
「君は熱中症で倒れたんだ。君が住んでるマンションの大家さんから連絡を受けて、病院に運ばれたのさ」
「な、なるほど……」
エアコンなしで蒸し暑い部屋に居たから、熱中症になってしまったのだろう。
皆も、俺みたいにならないように気をつけような……。
7/1/2025, 11:18:51 PM