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 昇る朝日と沈む夕日。これを繰り返して、時は過ぎていく。何もそれは、言葉通りの意味だけじゃない。人間の感情も、希望と絶望を繰り返して、時は過ぎていく。いつしか寿命が来て、そして死んでいく。

「……」

 とある丘から、悲惨な街を見ていた。とある災害によって荒れ果てたそこは、もう見れたものじゃない。昔は、きれいな草原で、そこに経つ家々と、すごくどでかい酒場があって、昼も夜も、常にお酒を飲む人々の賑やかさがあった。それはとても楽しくて、希望に満ち溢れていて。
 しかし今はどうだろう。建物という建物は倒壊して、きれいな草原ではなくどこまでも荒れた荒野。そして少し海に沈む、もともと家のあった場所。もちろんどでかい酒場のあそこも倒壊してる。生きている人なんていなくて、死体ばっかり。賑やかさも楽しさもない、人間の絶望が溢れ出ていた。

「ちょっと?もう仕事は終わったんだから、」
「―――わかってるよ」
「そう、ならぼーっとしてるのやめなさいよ」

 私が所属する救助隊の先輩が、早くしろという目で見てきた。とある災害のせいで荒れたところはまだまだある。こんなところで、確かに止まるわけにはいかないのかもしれない。

「……沈む夕日」

 今見えるのは、昇る朝日なんかじゃなくって沈む夕日。

「ただいま。……いってきます」

こんなことになる前に、もう一度家族の顔と賑やかで楽しい私の故郷が見たかった。

4/7/2026, 11:08:16 AM