せいか

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俺は7人兄弟の長男だ。
家は貧乏で父は他界、母の収入と俺のバイト代だけで生活にかかる金を賄っている。
俺は兄弟に少しでもいい生活をして欲しくて、寝る間を惜しんで勉強、バイトを行った。

正直言えば苦しかった。毎日毎日繰り返されるルーティンに家族にかけた思いに、救いはあるのだろうか。
終わりはあるのだろうか。
幼少期に抱いたサッカー選手という夢は、直ぐに諦めた。理想を抱くのを辞めた。
同級生が外で遊んでいたり、恋愛をしているのを見ても唇を噛んで努力し続けた。

そして俺が高校を卒業した時、母が死んだ。
その時俺は覚悟を決めた。
兄弟を支えていけるのは俺しかいない。
そんな思いで毎日働き続けた。
ずっと、ずっと。

兄ちゃんはお前らにとって「誇らしい兄」になれましたか。
そう1文だけ書き綴った白い紙を何回か折りたたみ「遺書」と記した。


8/17/2024, 12:06:35 AM