色とりどり
「みて、かわいいでしょう」
ニコニコしながら両手ほどの大きさの箱の中、綺麗に並べられた小さな色とりどりのマカロンを見せてきた。
「あれ、何かの記念日だっけ、」
「ちがう、綺麗だから買ってきただけ」
そう言って、少し薄い紫色の、かわいいマカロンを一つ、手に乗せてくれた。ありがとう、と優しく指でつかみ、少し眺める。あいだに挟まれたクリームが光を当てるとキラキラと光っていた。
「紫色が似合うと思って、これをあげたかったんだ」
「そう?ありがとう。クリームがキラキラしているね」
「アラザンかな。宝石みたい」
そう言うと、桃色のマカロンを一口かじった。なんだか、目をそらすのがもったいなくて、美味しそうに食べるその顔をジッと見てしまった。
「紫色のマカロンは何の味?」
「あ、まだ食べてなかった」
「ふふふ、桃色のはなんとなく桃の味だった」
「そうなんだ」
手の中にある薄い紫色のマカロンを一口かじる。口の中には砂糖のあまさが広がった。なんの味かは、自分にはわからなかった。
「次はどれにする?」
「好きなのを食べればいいよ」
「これとかどう?似合う?」
「その色も可愛いね」
色とりどりのマカロンを、ワクワクしながら選ぶその表情がコロコロ変わるのが面白くて、結局薄い紫色のマカロンしか食べられなかった。
1/8/2026, 3:33:08 PM