✝しがない高校生✝

Open App

好きな色

その真っ白なキャンパスに
一つ一つ丁寧に
「僕」という色をのせていく。
色褪せたその肌色は
まるで冷たく感じられるよう。

その失われた懐い声と共に
一つ一つ丁寧に
「貴方」という色を重ねていく。
薄暗いその瞳の色は
まるで月を閉じ込められたかのよう。

その真っ白なキャンパスに
一つ一つ丁寧に
「全て」という色をのせていく。
色褪せず残ったのは
忘れることのない真っ赤な色だけ。

6/22/2024, 1:30:08 AM