視線の先、楽しげに笑うあの人の笑顔に、どうしようもなくやるせない気持ちになる。愛しげに柔らかく細められたあの眼差しは、どうしたって俺に向くことは無い。好きな人の一番好きな表情の筈なのに、その先にいるのが俺では無い事実が重く重くのしかかって、今はただ行き場のない気持ちを唇を噛んで逃がすしか無かった。視界がじわりと滲んで、堪らず顔を俯けた。
8/24/2023, 2:10:21 PM