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きっと明日もの続き

ココロオドル

2月14日 バレンタインデー
シズクは、ミーナと一緒にチョコの材料を
買いに来ていた
いっぱいあって一つに決められない
(う~ん う~ん....)シズクは、悩んでいた
去年までは、皆に渡すのが楽しくてワクワクしていた。
でも今年は、その中にドキドキも混じっていた。
ふと顔を上げるとバレンタインデーの広告が目に付いた。
【本命チョコを貴方に....】
(本命チョコ....?)そんな事 去年までは
考えていなかった。
でも今年は、本命チョコと言う単語を
意識してしまう....
そう思うとシズクの頬は自然と赤くなって
しまう....シズクは、目を瞑り
深呼吸する。
(ハイネに喜んで貰えます様に....)
去年のバレンタインデーハイネは
シズクのチョコを家に持って帰って
ゆっくり食べてくれた
他にもいっぱいチョコを貰って食べてた。
つまりそれほどハイネはチョコが好きなんだ だから美味しく食べて貰いたい....
でもどうすればハイネが喜ぶ本命チョコが
作れるだろう....
「シズクどれ買うか決まった?」ミーナが
声を掛けてくれるがシズクは決めかねていた。
「あ....いっぱいあって迷っちゃって....
ハイネ チョコ好きだから美味しく作り
たいけど....手作りだと失敗しちゃうかなあ
でも....手作りあげたい....う~ん....」

実際は、チョコが好きなのでは無くて
シズクがくれるチョコが好きなのだが
そんな細かい機微には、気付かない
シズクなのだった。


一方ハイネ達男性陣は....

ハイネは、ナイトにある相談をしていた
「あのさ....その....女ってどう言う物
あげれば喜ぶと思う?...」
ハイネがナイトにぼそりと呟く
「ハイネ シズクに何かあげたいの?」
ナイトの率直の質問にハイネはバツが悪くなり俯く
「あ...あげたいって言うか....その....
いつも貰ってばっかだし....
ホワイトデーもミーナとか他の奴らと
纏めてお菓子とかだったし....今年は
その....こっ....恋人として何かあげた方が
良いかなあと 少し....思っただけで...」
「つまりシズクに個人的なプレゼントが
したいと」ナイトの指摘にハイネは睨む様にナイトを見る。
「っ.....まあ....そんなとこだよ....」
ナイトは、そんなハイネの様子にくすくすと笑う
「そんな考え込まなくてもシズクはハイネから貰ったものなら何でも嬉しいと思うよ
ハイネだってそうでしょう?」
ハイネはナイトからの問い掛けに視線を
逸らし「ちなみにお前はミーナにどんな
物あげてんだよ参考までに聞いてやるよ」
ハイネがちらちらとナイトの方を見る

「僕?僕は普通だよアクセサリーとか
服とか小物とか」

「女のお洒落なんてわかんねえし....」
「一緒に買いに行けば良いじゃない
シズクが欲しいって言ってた物を買ってあげれば」なんてナイトなりにハイネに
提案してくれるものの ハイネにはそれは
出来なかった シズクを前にしたら
恥ずかしくなって素直に買ってやるなんて
言えないハイネだった。

こうして街を一人でブラブラしてめぼしい
物を探していたハイネだがふと目に
留まった物がシズクらしくて思わず
買ってしまったハイネだったが....
(どうしよう....)買ってから恥ずかしさが
込み上げて来て買った事を後悔する
ハイネだった


そして何んやかんやでバレンタインデー当日 

毎年の様に皆に配り終わったシズク
後は、ハイネだけなのだが 何だか
緊張して未だに話し掛けられずにいた

一方のハイネもプレゼントを渡す機会を
逃してしまい未だ渡しそびれていた

そんな二人を心配そうに覗き込む他の面々
これは二人が両想いになってから
他の面々が気付いた事だが もしかして
ハイネとシズクって一見すると
素直と意地っぱりで性格が正反対だが
根本的な所は、もしかしてそっくりなのではと....


そうしてもじもじしながら意を決して
ハイネに話し掛けるシズク
話し掛ける前にもう一度目を瞑り
深呼吸 そして「ハイネ....これ....」
おずおずとシズクはハイネの前に
ラッピングしたチョコを差し出す
ハイネは去年みたくまた言葉に詰まるが
勇気を出してシズクにお礼を言う
「ああ....ありがとな....」但し顔が真っ赤に
なっている為 俯いたままだった
「あ....開けても良いか....」ハイネが
シズクに尋ねる様に了承を取る。
「うん.....」シズクが恥ずかしそうに
頷く 中を開けるとチョコケーキが
入っていた
「あっ....あのね....ハイネ....チョコ好きだと思ったからそのケ....ケーキを作ってみたの....で....でも....大きいかもしれないから
む....無理しないで 他の人と分けて食べてね 手作りなんてしたから形がその....
大きくなりすぎちゃってごめんなさい....」
シズクが涙目でハイネに謝る。
ハイネは手づかみでケーキを頬張りながら
シズクに言う 「誰にもやらねぇよ馬~鹿
俺が貰ったんだから俺が全部食うに決まってんだろう!!」ハイネは、指に付いた
チョコを舐め取りながらシズクに
向かって不敵に笑う

「で....でも....ハイネ全部食べたら
お腹壊しちゃうよ....」

「壊さねぇよ....意地でもなぁ....!!」
「? ?」シズクはハイネの言葉に
キョトンとして頭に疑問符を浮かべる。
ハイネはシズクのキョトンとした表情に
口元を緩ませるとシズクの手の中に小さな
包みを握らせる そうしてシズクの耳元で
「ハッピーバレンタイン」とぼそりと呟く
「ハイネ....これ....」シズクはハイネに
問い掛けるがハイネはそれ以上何も
言わない シズクは小さな包みを手の中で
ゆっくり丁寧に開ける
中に入っていたのは可愛らしい小花が付いたヘアピンだった
シズクは丸い目でハイネを見上げる
ハイネはシズクの視線を避けるように顔を
逸らし「その....何だ....いつも貰ってばっかじゃ悪いだろう その....人として....
偶々通り掛かったら 偶々見つけて
偶々安かったから買っただけだから
要らなかったら別に捨てても....」
ハイネが最後まで言い終わらない内に
シズクがハイネに抱き付いた。

「....ありがとう....大切にするね....」
ハイネはシズクの嬉しそうな顔から
視線を逸らしそっぽを向いた。

こうして二人の心は幸せいっぱい
胸いっぱいで心踊っていた。

10/10/2024, 6:50:18 AM