語り部シルヴァ

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「眩しくて』

ギラりと睨む太陽。
光という光を反射する波。
楽しそうな悲鳴が耳を通り抜ける。
友達に誘われて海に来た。
...はずなのにほぼ全員ドタキャンしてしまった。

クラス内の男女三人ずつの予定だったのに
俺と女の子一人まで減ってしまった。
あまり会話したこともなく、
また人数が集まった時にしようと提案したものの、
女の子が「私は行けたら嬉しいなあ」と
少し楽しみな顔を見せてきたので断れず...

そして今に至る。
今は女の子が準備をしてくる間に
場所を取って海を眺めていたところだ。
「お待たせ...」

女の子の声がして振り返る。
普段見ない姿に思わず声が詰まる。
制服で隠れていた部分が露になるのが
これほど衝撃だったとは...

「あの、大丈夫?」
心配してくれているのに申し訳ないな...

「ごめん...眩しすぎて見れない。
...あと水着似合ってる。」

女の子の嬉しそうな「ありがと」が耳元で聞こえた。
これが夏...なんだな。

語り部シルヴァ

7/31/2025, 10:45:34 AM