遠縁の親戚を頼って米作りを教えてもらった事がある。
しかし、親戚のおじさん曰く、「米なんて放って置いたって出来るよ」だそうで、
現在の農家はほとんどが兼業農家、つまり何か他に仕事を持つ片手間で米を作っている、
けれどおじさんは農家1本で生計を立ててる専業農家で、花作りを生業としていた。
私が知りたいのは米作りに関してだったが、そういう流れで実際には米作りより花作りを手伝った時間の方が長かった。
花作りは大変だ、何しろ見た目が命で、出来の悪い花は二束三文にしかならない。より等級の高いものを育てる為には常に繊細さと粘り強さが要求される。なるほど、米作りに対して軽口を叩くだけの努力をしている。
花を収穫し、その花の束の箱詰めも手伝った。おじさんの花は立派だった。それでも莫大な収益とは言えないと思った。何しろ収穫までの苦労を少しは私も味わったので。
都会の駅などで貧弱な花がすごい高値で当たり前に売られているのを見かけると、おじさんなら何と思うかしらと思ったりもした。
立派な花が高いのは、高くないのだ。
2/10/2024, 6:39:19 AM