何もいらない
■短編(ファンタジー、忠誠)
「殺せ」
少し高い位置から、声が落ちる。
「……承知」
頭を下げる。
顔を上げて、扉を出る。
廊下を進む。
足音だけ、続く。
――あの者は、まだ使えた。
足が止まる。
いつからか。
こうして済ませるようになった。
口元が歪む。
眼鏡を押し上げる。
息を吐く。
足を進める。
空気が、少し冷える。
「開けろ」
「はっ」
金属音。
扉が動く。
仕えると決めた時から。
他には、何もいらない。
(後書き)
少年アニメの悪役参謀が死ぬたび、辛さに耐えておりましたTT
ご贔屓にしている投稿者様がおりまして、その方のファンタジー作品がおもしろいです(^^)
4/21/2026, 9:16:36 AM