『Heart to Heart』
「ねえ、煌驥。久しぶりだね」
雪が降り、吐いた息が白く可視化されている今日。私はある人の元へ来ていた。
「お互い腹を割って話そう? 全部正直に、あの時のことを」
彼からの返答は無い。まあそれも仕方がないけど。
「あの時、酷いこと言ってごめん。煌驥は私の事を考えてくれたんだよね。本当にごめん」
言ってくれたら良いのに、という言葉は流石に言えなかった。自分の事を棚に上げすぎだし、彼はそう言う人だったから。
「助けてくれてありがとう。貴方のお陰で今の私が居る」
手に持っていた花を元々あった花瓶に差し、饅頭を置く。煌驥が大好きだったこしあんだ。
「あと、遅くなってごめん。これはお詫びとお礼だと思って受け取って。また来る」
私がもう少し早く気づけていたら、煌驥と正直に話す事が出来たのかな?
2/5/2025, 3:47:32 PM