哀愁をそそる
今日の主様は少しいつもと違う気がした。
ほかの執事達にその話をしても、いつも通りと言われたが
なにか違う。いつもと雰囲気が少し違うのだ。
寂しそうな、何となくそんな感じ。
本人に何かあったのか聞いても、きっと主様の事だ。
上手くはぐらかされて終わってしまう。
まだなんでも言える関係性では無いのか、と少しだけ俺も悲しくなった。
担当執事が俺になって、主様から声を掛けられるまで待機していると、チリン、と呼び鈴が鳴った。
控えめにノックして返事を聞きドアを開ける
「お呼びでしょうか、主さ、ま…」
ドアを開けると窓の外をぼうっと眺める主様が映る。
その姿が寂しそうだがとても美しく、思わず言葉が詰まった。
俺に気づいた主は手招きして俺を呼ぶ。
『ハウレス、あのね…相談があるの』
11/5/2023, 9:32:56 AM