これまでずっと
「……おいしい」
「お、ようやくこのうまさに気づけたか」
「かもしれない」
「おい。天邪鬼かっ! うまいならうまいって言え!」
苦手ないし嫌いな食べ物って、少なからずひとつはあるんじゃないかと思う。
でも、意外とさ、食わず嫌いとか、初めて口にしたものがたまたまおいしくなかったせいだったりするのかな、って知見が広がってきた。
現に、私、あれほど毛嫌いしていたホルモンを初めて「おいしい」と感じている。こんなにおいしかったのか……?! いままで食べていたのはなんだったんだ。
「下処理とか焼きが甘かった奴に当たったんだろ。こだわってるとこはちゃーんとこだわってるからな」
たしかに、苦くて無理だと思っていたコーヒーも、かなりこだわりを持っている店長の喫茶店のは、不思議とお砂糖なしでも飲めちゃったりするもんね。
最初の一口がおいしくなかったから、なんていう先入観に囚われ続けるのは損しているのかもしれない。
これを信じるか信じないかは、一歩踏み出すか留まるかはあなた次第って奴。
私がいま「かもしれない」って付け足したのは、連れてきてくれた目の前の相手がずーっといじってくるからだ。めんどくさい。初めての「おいしい」を堪能させろって話だ。
(大人になってから克服できるものもあるよねって話)
7/12/2024, 2:24:03 PM