『未来への鍵』
神様みたいな人かな、そういう人が私の前に立って
鍵を2つ渡されたとして。
1つ目は『子どもを一生産めない未来への鍵』
2つ目は『発達障害の子を育てる未来への鍵』
私はドアの前に立って考えている。
ずっと子育てをしたいって思ってた。小さい頃からお母さんになりたいって思って、意味もなく育児本を読んだりしていた。
憧れていたお母さんは、優しくて穏やかで、叱るけれど、怒鳴らずに諭す、笑顔いっぱいの人。家はいつも綺麗なんだ。
自分の母のようにはならないようにと、いつも考えていた。舌打ちする母は苦手だった。
私はきっと2つ目の鍵で、ドアを開けるだろうな。
『発達障害』なんてよく分からないまま『大丈夫、何とかなる、私なら大丈夫』そんな言葉を呟いて。
綺麗事は言えないし、言わない。
今なら迷わず1つ目の鍵を選ぶ。悲しいけれど、それが今の私の気持ち、誰にも言えない本当の思い。
いつかこの子を育てて良かったと思える日まで。
いつか…、きっと、いつか。
1/10/2025, 3:15:40 PM