春は沈黙し、夏への扉は閉ざされた。10月はたそがれの国。闇の左手でさらに奥へ。国境の長いトンネルを抜けると雪国であったウィルソンの霧箱で放射線がみえる様に、吐いた息の行方を伺える。すぐに息は霧散した。五十の星と一つの丸い日が空にある。永遠に輝けることを願って、私は祈祷した。やがて千羽の鶴が空へ羽ばたいた。
11/29/2023, 6:49:21 PM