狐コンコン(フィクション小説)

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8:鋭い眼差し 11


「本当にごめんね、睨んでるわけじゃないの。私、よく勘違いされちゃうんだ。」

そうやって歪に笑うあなたが大好き。

「ううん、大丈夫。」

本当はわざと横目で見たりして、睨んでるように見せてるの知ってるよ。
睨んでる?って聞かれて、嬉しくなってこっそり歪に笑ってるのも知ってるよ。

「私と仲良くしてくれるのなんて、あなたくらいだよ。こんな目つき悪いのに、いつもありがとう。」

本当は少し瞼が重いだけなのも知ってる
三白眼でもないことも知ってる
クラスの明るい子達に怯えてる事も知ってる
怯えるとその目がすぐ丸くなる事も知ってる
全部知ってる、あなたの事なら全部知ってる。

でも絶対教えてあげない

可愛いあなたを知ってるのは、私だけがいいから。

あなた自身でさえ気づいちゃだめ。

ずっと、ずうっと、出来るだけ長く、可愛いままでいてほしいから。

私の大嫌いな切れ長な目を見て綺麗って言ってくれたあなたを、他の人に教えたくないから。

優しくて可愛い、ちょっと歪なあなた。


「いいんだよ。ねぇ、私達、大人になっても変わらずに友達でいようね。私、貴方の鋭い目が大好きだから。」

10/15/2024, 3:20:34 PM